妄想女子と潔癖男子の契約結婚

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妄想女子と潔癖男子の契約結婚
 TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が久しぶりに面白い。
 原作が海野つなみの漫画だが、講談社漫画賞の受賞作とあって、中身がつまっている。就職難、派遣切り、事実婚、中年童貞、未婚娘、晩婚夫婦と、いまどきの社会現象が満載されている。
 そのうえコスパにこだわる今どきの男、家事を契約労働と割り切るいまどきの女、これだけ役者が揃ってつまらなかったら救いがたい。
 新感覚の社会派ロールプレイング・コメディといっているが、演出のキレも良く、快適なテンポで話は進む。
同じTBSの橋田寿賀子ものの古さとは対極にある作品になっている。
 家事労働を金銭に変えて、バイト婚をする新垣結衣もいやみがなく素直についていける。
 異常な潔癖症の星野源も、この人は本当に女性経験が怖いのだと納得させられる個性になっている。
理屈に支配されている男と、ときに揺れ動く感性の女の行違う様が、舞台劇のような雰囲気で描かれて秀逸なのだ。
 今年の忘年会の余興は I HAVE A PEN とともに、最後にでてくる「恋ダンス」で決まり、と言われるほどヒットしている。Perfumeの振付で個性を発揮していたMIKIKOの感覚に時代が追いついたともいえる。今年の暮れはあのキレキレの恋ダンスが、ネオン街を占領することになるだろう。
 愛のない契約結婚も漫画ではハッピーエンドで、みくりは寝ている津崎に、「ありがとう、大好き」とつぶやくのだが、脚本の野木亜紀子は果たしてどう描く、やっぱりテレビの三流品に終わるか、それとも一流品に変身するか、楽しみである。


コメント

1件のフィードバック

  1. 私もドラマを地上波で見るのは久しぶりで見ております~
    「逃げ恥」良いですよね!
    恋愛も結婚も家事も仕事もできないので羨望のまなざしで見てますw
    いつも通り原作を知らないままで見ております。
    今季、いつもは見ていた「相棒」
    右京さんの眉毛の形に目が吸い寄せられて気持ち悪くて見るのを断念しました…
    IQ246はディーンの殺陣に興味があって何とか見ております。
    織田裕二氏の黒い顔が怖くて断念しかけましたがw
    日本の俳優さんは歯並びが悪いのと箸の持ち方が気持ち悪いのとお顔立ちの美しい度が気に入らなくてほとんど見ないで過ごしてきてしまいました…
    映画も邦画はほとんど見ません
    殺陣やカーアクションの激しさで韓国モノを見ることが多いです。
    アニメも随分見ていません。
    人混みが苦手なので大ヒットモノは避けておりますしw
    先生が漫画をお読みになるとは軽く驚いてしまいました。

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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