そんなに頭の悪くなさそうなワイドショウの司会者が集まって、これは難しい問題だ、と議論していた。
小学校の女教師が入学式を欠席した。原因は病気かと思ったら、さに非ず、女教師の子供の入学式とスケジュールがぶつかったので、自分の子供を優先した、というのだ。職業としている小学校の入学式は欠席。
この教師にとっては、高校生になる大きな息子のほうが大切だった、ということがはっきりした。
先ずこの先生には、はじめて小学校に上がる子供たちの期待、希望、ドキドキ感がまったく判っていない。初めての入学式に、胸ふくらませて身長の服をきていった子供たちにとって、「今日は君たちの担任のせんせいは休みだから」そう言われた時の不安感、ガッカリ感は何百倍だということが判っていない。
パブリック・デューティという言葉があるが、教師はチャリティでやっている職業ではない。子供たちを教えるというのは、「聖職」であるという考えすらある。その程度の職業観で教師をしている、ということは恐ろしいことだ。
第二に優先させてついていったわが子は高校生だというから更にあきれる。つまり子供のためではなく、子離れしていない自分のために、高校生の息子についていった、ということだ。
小学校教師としての職業的義務を棄ててまで、大人の高校生につきまとうとんでもない母親がこの小学校の女教師だ。ミーイズムにも限度がある。どこかの思想に毒された堕落した愛そのものだつた。
女教師ミーイズムの堕落
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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