「商売繁盛で笹もってこい! 商売繁盛で笹もってこい!!!」
この日、大阪商人のほとんどが今宮戎神社にお参りする。帰りには有難い「福笹」を抱えて帰宅する。
福笹は商家の座敷や、店の奥、あるいは会社の社長デスクの後ろに飾られる。商売繁盛のご神徳がもたらしてくれることを信じて、十日戎はますます繁盛である。
七福神のなかで外来神とされている「エビス」様がなぜこんなに人気があるのだろうか、と考えてみた。
そもそも戎というのは、外来とか異邦人を指す言葉だった。にもかかわらず日本の七福神のいっかくを占めるようになったのは、たえず津波や地震などに襲われてきた地政学的な日本人の恐れに対する恐怖があったのではないか。釣り竿と鯛を抱えた下がり目の恵比寿さまは、水の安全、海の平穏をもたらす福神であり、平安期には商売の繁栄をもたらす市神にとして登場してきた。
一方、エビス様は耳の遠い神様でもあった。ご本殿の裏にはドラが祀られ、正面からお願いを確認するため参詣の折にはドラも鳴らさないと、エビッサンは気がつかないというお話もある。
今宮戎には女子アナ信仰もある。この今宮戎の福むすめになると必ず願いが叶うというのだ。関西の女子アナには、今宮戎の福むすめ出身者が多い。耳の遠いえびすさんに縁を結べば、声の通りもよくなるという都市伝説がいきている。
女子アナに焦がれる人は、「アナウンス学校より十日戎へ、」である。
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