大麻はそんなにいいの

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 早稲田も慶応もシロガネーゼもみんな大麻にはまっているという。麻薬ってそんなにいいの、つい聞きたくなってしまう。
 30年ほど前、ロスアンゼルス、ベルエァにあるプロデューサーのホーム・パァーティに招かれたことがあった。そこは70人ほと゜の客が妙にハイなだったり、アンニュイだったり、不思議な空気につつまれていた。アルコールも英語も苦手な僕はもっぱら壁の花になっていたのだが、主人公は盛んに化粧室にいってこいという。べつにトイレを要していたわけではなかったが、折角の気遣いを無駄にしてもと、トイレにいって疑念は氷解した。鏡のまえには、美しいクリスタルの容器にはいってさまざまのマリハァナやらスピードやらが、ずらりと並んでいた。どうやらそれもあたりまえの御もてなしのようだ。
 病んだアメリカの真実に直面した思いだった。麻薬が当たり前の社会の行く末はいうまでもない。そのパァティにきていた何人かは廃人となり、何人かはエイズで亡くなった。そして金もないのに豪邸をかまえ、サブプライの崩壊とともに、家もなくして、行方不明になっているのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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