大和言葉の教室や本がブームになっていると聞いた。
あまりにも乱雑になった若者の言葉や、英語圏からの言葉の襲来に耐えかね、大和の国の逆襲かもしれない。
すべて記号化することが素晴らしいという風潮に対し、記号化しない、記号化できないもの、こそが文化遺産だと気が付いたのかも知れない。
ITと言いさえすれば、進んでいるといったような間違った風潮に対し、日本人としてのアイデンティティーはと問いかけられ、足元をみたら言葉があった、ということだろう。
外来語大好きの日本人は芸能界には特に多い。ディズニー至上主義の人々。子供がまだ日本語知らずの頃から英語を学ばせようとするお馬鹿なママ族。
そうした人々には、漢語や外来語よりはるかに美しくたおやかな言葉が、この国に生まれた大和言葉だとお教えしなければならない。
「グッときた」というより「胸に迫る」、ズシンときたら「胸を打つ」、シミジミときたら「胸にしみる」気持ちの機微が柔らかく伝わる。
「心待ちにしています」といえば「待ってます」よりはるかにやわらかなコミュニケーションになるし、暇があったらというよりは「お手すきの時に」と表現したほうが、相手も心地よく応じてくれる。
大和言葉にはどこか懐かしい調べもある。「たおやかな」「おもむき」「こころばかり」「むべなるかな」「ほんのお口汚し」「よしみを結ぶ」
大和で生まれた言葉には、日本の自然と精神の風土がつまっている。
大陸から渡ってきた漢語や外来語にない美しい響きをもった言葉なのだ。。
大和言葉にブームがきた
コメント
1件のフィードバック
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大和言葉が伝えられるよう
切に願っておりますが
どうなることやら…
自分もいまだにめぐり合って感激する日本語が沢山あります
もっと早くに知りたかったと悔やむことしばしばです。
言霊のパワーも段違いだとか
失って欲しくないものです。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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