大人に愛されるブライアント公園

by

in

 五番街に面してニューヨーク市立図書館がある。図書館のまえの階段には人待ち顔の学生や新聞を広げた若者が坐り込んでいる。がニューヨーカー達は、すぐ裏のブライアント公園に行こうという。200m×120mほどの小さな公園だが、大人に愛されている癒しのオアシスだ。グリルがある。オープン・カフェがある。屋根のない図書室…リーディング・ガーデンがある。ここには新聞、雑誌、文庫本などが、ワゴンのラックに並べられて誰でも自由に手にすることができる。スチール製の深緑の椅子とテーブルが300以上もあちこちに置かれ、ご自由にどうぞ。
 スポーツ好きには、ペタンク、テーブル・テニス、曜日ちがいでエアロビ、太極拳、空手の青空講習会、さらに早朝にはバード・ウォッチングのプログラム、子供のためには噴水と水遊び、ニューヨークで一番古い回転木馬もある。
 中央のグリーン・ガーデンでは音楽会やらお芝居やら、セントラル・パークにはない、仲良しで温かく静かな空気が流れている。
 すぐ西側のビルに紀伊国屋が出店しているので、そこで日本直送の雑誌を求めこの公園の陽だまりで読みふけるには絶好の場所。日本では子供用の遊具を置いてことたれりとする公園が多いが、この小さな公園は大人のための文化施設になっている。デートをするのも、御茶するのも、食事するのも、パソコンするのも、おばさん達のおしゃべり会にもすべて対応している。
 運営管理は市から民間の株式会社が委託を受けてやっているそうだが、BIDと呼ばれる周辺住民からの協力金121万㌦、市からの補助金25万㌦、レストラン・カフェの売上げ50万㌦、寄付40万㌦で毎年の経費をおぎなっているそうだ。軽井沢にもゼヒモノで欲しい公園といえるだろう。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ