ここ数日やたらむしむしする。このべたついた暑さはなんだろう。軽井沢の爽やかな風はどこへいってしまったのだろう。かたわらのTVが今年の夏のカメムシ大発生を告知している。カメムシは締め切った窓のサッシュの間からも入り込み、まことに始末がわるい。あの強烈な臭いに家中大騒ぎとなり、あわてて切ったガム・テープに接着して追放する。軽井沢の川といえばまず第一に湯川、源流の白糸の滝までいけば、むした夏も忘れさせてくれる。夏休み川遊びの定番だった。水はすこし下流にいっただけで汚染され、岩村田祇園の神輿渡りも川がよごれているという理由から消防の放水車により水のトンネルを造り、そのしたで神輿を揉んでいる。初夏千曲川には季節はずれの鯉のぼりが泳ぐ。鮎のやなばの目印で川風を浴びながら、捕れ立ての鮎をいただく。丸太を組んでヨシズをめぐらせた河原の季節小屋で食べる鮎の塩焼きやら田楽はまことに美味しく、夏のご馳走の第一、今は亡き遠藤周作先生なども塩名田の鮎宿が大好きだった。三笠ホテルのカレーもいいが、やはり夏のグルメは、千曲川の苦み走った鮎に勝るものはない。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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