近頃、和紅茶の評判が高い。
英国チャールズ国王の農園で作られている「DAUCHY」と仏国リヨンの「ユアン」の紅茶に慣れてきた筆者も和紅茶を試みたいと、
産地でも評判の高い紅茶と向かい合ってみた。
困ったのは表記された茶名から味が想像できない。
クラシックな紅茶を愛飲してきた身としては、ブレックファストなのか、アールグレイなのか、それともダージリンか、茶味の傾向が
判らないと選択のしようがない。
とくに朝と午後と夜ではライフスタイルによってまったく紅茶の選択がちがうのだ。
和紅茶を紹介しているフードライターなる人々の文章にも茶味とライフスタイルの分析がない。
在来種と輸入種と交配させて開発した成果と言われても、味の想像は不可能だ。
生産者もベに○○とか、姫○○とか、米のレベルのネーミングが多く、さっぱり判らない。
ユーザーに寄り添っていないのだ。
「滋納」「清廉」「望蘭」これが和紅茶の種類です。といわれても茶味に飛躍しない。
戦後「日東紅茶」で奮闘してきたと言われれば、だから不味いというところに発想はとんで、和紅茶の旨さにはつながらない。
近頃やたら受けているフルーツ風味の紅茶もいけない。まずクラシックから始めよ、である。
フォションあたりの得意とする流行紅茶に流されると、和紅茶の未来はない。
しっかりと基本をふまえたのち、日本ならではの風味に走ればよいのではないか。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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