可愛いブラック

　大人っぽくて、ちょつぴりセクシーなのが、黒という色かと思っていたが、この秋は全く違うようだ。
　黒は可愛い、と言うのだから、いまどきの女性たちの移り気な感覚についていくのはかなり努力を要する。ここ数シーズン続いた原色の流行に飽きて、服からバック、小物に至るまで、全身これ黒のオンパレート゜が新鮮という。
　「全部が黒なんていやぁね、それじゃ喪服じゃない」とおっしゃる方は、アガッテしまったオバサンだと、自己認識なさるといい。
　目指すのは「元気でキュートな黒」、小さなブラックドレスにハードなベルトやブーツを組み合わせるのが今どきのスタイル、総フリルとかリボンとか甘すぎるブラックも困りもの、名古屋ルックになってしまう。中途半端なエレガンスもいけない。控えめな式服、パーティ着ではない、元気さを目指してこその今どきブラック・ファッションだそうだ。
　どうしても色をさしたくなったら、白ぐらい。あとはクリスチャン・ルブタンの靴裏の赤ぐらいで、我慢するのが、涵養。黒レザーのショート・パンツやトム・フォードの黒縁メガネもアクセントとして人気だとか。　勝負パンツの黒しか身につけたことのないお嬢さんも、今シーズンは黒のフルコーディネートに挑戦、ちょこっとロックをたして、元気に可愛く街歩きしてみたら如何。
　エレガントに転ばず、フォーマルにならない、新しい黒の若さを楽しみに待っている。
　そうだ週末は表参道を歩こう。