クリスマスは若い男女が、ホテルを予約する日で決まり、バレンタインは高級チョコレートを添えて、女性が男性に告白する日になった。そこに最近加わったのが、ハロウィンというバカ騒ぎである。
折からニッポンは天高く馬肥ゆる秋、収穫感謝の秋祭りの日の筈だが、都会の若者たちは自分が生まれ育った故郷の習俗を忘れ、カタカナ文字の外国製イベントに浮かれている。
血に染まった白衣の天使がチェーンソーを振り回したり、ゾンビメークのバニーガールが狂態をさらし、カギ十字のヒトラーの親衛隊がムチを振り回す。狂った田舎もの達だ。
ケルト人が死者を迎えてともに収穫に感謝する祭の原点などはとうに忘れ、自分勝手にバカ騒ぎをするイベントに仕立てるのは日本人の得意技とはいえ、もういい加減にマツリの文化的意義にも注目するボンサンスのある成人になって欲しいと願うばかりだ。
六本木ハロウィンはおろか、渋谷ハロウィン、池袋ハロウィン、はては軽井沢ハロウィンとおバカの連鎖は続いている。警備の警察官も年々増員され、金のかかることこの上ない。
お菓子、グッズ、衣裳、ホテル、レストラン、などハロウィン関連の市場規模は年々増え、11年には560億円だったのが、昨年は1100億円、今年は1120億円と推定され、来年はバレンタイン並みの経済規模になるでしょう、なんでも金で計る日本記念日協会の解説だが、文化の抜け落ちた記念日など、恥の上塗りでしかない。
リオのカーニバルが浅草だつたり、安曇野の自然がクリスマスだったり、ハロウィンのコスプレは絵的に魅力があるので、テレビにとってもおいしいコンテンツです、どうやらメディアの経営者から洗脳しなければ、この国の文化は絶望的な状況になってしまうだろう。
取締れ!ハロウィンのバカ騒ぎ
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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