原発汚染水非常事態宣言

　あってはならないことが次々と起こっている。
　今日は東側タンク、明日は西側タンク、水を入れるタンクさえ満足なものが作れないとは、日本の技術はこんなにも貧弱だったのか。
　汚染水の海への垂れ流し、それがどんな結果を呼ぶか、我々素人には判らなくても専門家はわかっている筈だし、海で暮らす魚たちにとってどれほど深刻な事態を呼ぶかということは、容易に想像できる。
　オリンピック開催都市決定会議前だから、いまは穏便に過ごし、決まってから対策を打ち出そうという政府の姿勢も無責任だし、東電の昼行灯ぶりと、原発学者たちのダンマリにはあきれてものも言えない。
　配水弁のボルトを締めなおしたら水漏れが止まったとか、バカでも出来る対策を記者会見で発表するなど、ネクタイを締めた大人のいうことではないし、それをまた仰仰しく報道するメディアの態度にもガッカリする。海が汚染し、魚が汚染したとき人は生きていられるのか、これは日本人だけの問題ではなく、地球に暮らすすべての人間へ突きつけた非常事態だという認識がない。
　ニューヨーク・タイムスは、約1000個あるほかのタンクの耐久性にも疑問を生じさせると、報道しているし、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙は、東電の隠蔽体質を批判、透明性は皆無と論じている。
　日本が効率的なオリンピック運営をすることは疑いないが、まだ原発の危機に取り付かれたままだ、と報じているのはカナダ紙だが、大量の汚染水を公海に流している、原発の危機が東京の招致に暗い影と論じ、日本は危機を見くびり続けている、と伝える新華社電にも肯かざるを得ない。
　フランジ型でも溶接型でも、とにかく漏れないタンクを大量に作る、素人にも判る対策をただちに実施することだ。抜本的対策を来週公表とは、国民をナメテイルとしか思えない。