別れと新茶の八十八夜

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 八十八夜が近ずくと、あちこちから新茶が届く。
京都柳桜園さんから、肥後人吉三翠園から、あるいは魚河岸茶から、ゆつたりとしたお湯をそそいでいただくと長生きができるという。
 産地では、手もみ体験とか、茶摘み体験、あるいは新茶サービスといそがしい。
 立春から数えて八十八日めのこの日、八十八夜の別れ霜、八十八夜の泣き霜などという言葉もあって気まぐれな寒さとの別れ時でもある。
遅霜などくるとせっかく蒔いた農作物もやられて悲惨なことになる。種まきや田植えのこの季節農家にとっては日々お天気の機嫌にはらはらと過ごす。
 八十八夜は新茶の季節であるとともに、恋人たちの別れにもいい。
 バレンタインから88日、ようやくお互いの欠点も見えて別れ時でもある。
「メイストーム・デー」といって別れ話に最適の日ともいわれている。
 八十八夜のお茶が届いたら、恋人のご機嫌にご注意をはらわねば、の日々である。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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