東京六大学のなかでも、法政大学は地味な存在だといえよう。
その地味な法政に、六大学初の女性総長が誕生することになり、目出度い限りだ。
杉浦日向子等と共に江戸学の第一人者、というのがまた格別に嬉しい。
江戸っ子の端くれである小生にとっても、かかる女性が六大学の一角で総長として教育に携わるのは、この上ない喜びだ。 この広い東京で、江戸っ子と言えるのは、いま2パーセントにも満たないと言われている。
本郷までは江戸のうち、といわれた本郷西片町で産湯を使った私として、江戸の二文字はアイデンティティーそのものであるし、江戸のない東京は、クレープのないコーヒーよりまだ酷い無国籍都市になってしまうと信じている。
ショート・カットの田中優子はいつもきものをピチッと着こなして、サンデー・モーニングのゲストを勤めている。 法政大学の社会学部長としての信頼も厚く、江戸の生活文化のみならず、美術、経済、音曲に至る造詣も深くアジア、世界との比較文化論もなかなかの論客である。
その著作がまた嬉しい。
「江戸の想像力」 「江戸百夢」 「江戸の恋」 「未来のための江戸学」 「江戸っ子はなぜ宵越しの金を持たないか」などなど。
法学や経済出身の総長、学長の多いなかで「比較文化」というマイナーな学問から優れた総長がでることは、大変に素敵な出来事であるし、女性時代にふさわしい天の配剤のような気がする。
友人に女性ばかりのスタッフで、ギャラリーを銀座に構えている女性社長がいるが、彼女もまた法政大学出身の優れたアラサーなのである。
初の女性総長誕生! 法政大に
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す