一昨年「発熱するニューヨーク」と題した写真展を開いた。
夏のお盆の時期に軽井沢駅のコミュニティー・ホールを会場に一週間の催しだつた。来場して下さった友人や先輩がたには、いろいろの意見があり、なかでも多かったのは「もっと説明をつけてくれないと…」という声だった。
そこで今年の「PARISと巴里のあいだ」写真展は、発想を変えて開くことにした。
映像とトークで総てを見ていただけたら、と考えた。10人から50人規模で自由に出張してどこでも展覧会にしたほうがより喜ばれるのではないか。
要望のあったところは、家でもサロンでも小さなホールでも、会場を選ばない。2メートル×1メートル半ほどのホワイト・スペースさえあれば、パソコンとプロジェクター持参で伺います、というスタンスだ。
内容は、三つの凱旋門に見るナポレオンの野望に始まり、ビオ・マルシェから蚤の市までの市めぐり、街角のアールヌーボー、愛の聖地の理由、三大墓地を巡って生者と死者の出会い、そして映画のなかのパリなど約500カットの写真をセレクトした。6000カットの写真のなかの500カットなので、作者としてはもっともっとという欲はでるが、付き合う方のコンディションを考え、こつちの体力を勘案するとまあこんな処か。ほぼ100分の構成になる。
3000ルーメンの明るさで、A4サイズ高さ4センチの大きさ、熱を持たない優れたプロジェクターの登場が、こうした映像とトークをしてみようというきつかけになった。パワーポイントでの素材作りは大変だが、そっちはスタッフ任せで、映像の編集と、退屈しないトークが自分自身への課題だ。
ファッションを始め、グルメでもお花でも、最近はかなりパリ症候群の若者も多いので、半世紀パリを見てきた作者の映像とトークにお付き合いいただければという心境だ。 興味のある方は、ぜひご一報を。
写真展より「映像とトークの集い」を
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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