内緒・秘密・極秘

「このはなし内緒やで」「秘密にしなあかん」
　広めたいはなしには、内緒や秘密をつけて誰かにはなしをすれば、またたく間に広がっていく。
　内緒や秘密に反応する人間は以外に多いことがわかる。　知り合いにも内緒のはなしは、一人で仕舞っておくことができなくて、思わずしゃべってしまうという我慢のない病気の人がいる。
　誰と誰とが格別の仲だとか、PTAの誰さんと誰先生は目つきが尋常ではないとか、どこそこのお嬢さんは出来ているらしい、この手のはなしは、ほとんど無責任に広がっていく。
　石原慎太郎東京都知事と橋下徹大阪市長の秘密会談というのが、最近あった。秘密というのだが、テレビにも新聞にも出ている不思議な秘密会談だった。
　そのまえには野田佳彦首相と自民党谷垣総裁の極秘会談というのが報じられた。両方とも会っていないと、言っているが、誰も信じていない。二人の極秘会談は既成事実として、馴れ合いカイサンとか、消費増税への路線は引かれたといわれている。
　そもそも政治家の極秘会談の会場まえに、新聞記者やテレビのカメラが待っているということがおかしい。しかるべきメディアにリークし、この会談をどう書かせるか、どのように報じてほしいか、衣のしたにはちゃんと鎧が見えているのが事実だ。それでもまだ極秘会談の効用があるとすれば、それはすべてメディアを利用した謀略戦と心得るべきだろう。