個人情報とマイナンバー制度

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 マイナンバー制度がいろいろと物議をかもしている。
 政府はこれによって国民の所得、資産が把握しやすくなる。つまり税金がとても取りやすくなる。
 反対する人々は、人間の番号化に通じ、国家に管理されるようでいやだという。
 個人情報が流行り言葉になって以来、日常の暮らしがひどく不自由になった。
 同窓会名簿から住所がきえた。電話番号もない。これでは名簿の機能はほとんど失われているので、不便なことこの上ない。人間の絆が断たれている。
 マンションの玄関からも名前が消えた。確かに誰か住んでいるのだが、誰なのか判らない。プライバシーだから、名前を表示しない。番号で呼ぶしかない。刑務所と同じなのだ。
 人間を特定しなければならない職業の人々は本当にご苦労様なことだ。
 社会という共同体で生活する以上、プライバシーを制限したほうがいいとは誰もいわない。絆、絆といいながら、おたがいの住まいも職業も明かさない。どう考えても変だ。
 人気のケーキ店に並んだ。順番にお名前を書いてお待ちください、というわけだ。ところが大声で怒っている人がいる。なんで名前を書かなければならない。名前はプライバシーだからこんな処で明かしたくない、と怒っている。 
 店員さんは書かなくてもいいですよ。順番がきてもお呼びしませんから…。売り言葉に買い言葉というやつだ。ケーキ一つ買うのに個人情報もないと思うが、なんともへんてこな騒動だった。
 そのうちマイナンバーが普及すると、どこへいっても個人情報満載のマイナンバーが使われ、丸裸で街中を歩くような状態になるのではないか。
 個人情報にしろプライバシーにしろ、社会構造そのものを否定するようなことは、すべて破棄するがよし、と思うが如何。


コメント

1件のフィードバック

  1. いまいち良く分からないでいるので
    参考になります
    ありがとうございます。
    住基のはがきもしまい無くしてしまった自分です!
    大切にしまっておいたはずなのに…

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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