米倉涼子がブロードウェイの舞台に立つといって、メディアを賑わせている。
ニューヨークでは笑いものの情報になっている。あのシュバート・オーガニゼーションがどうなってしまったのか。ディズニーに押されてフトコロ寒しなのだろうかと、楽屋雀が姦しい。
ブロードウェイの公演システムには、本来一週間だけの臨時代役公演はない。すべてのミュージカルには、アンダー・スタディーズとして主な配役に拘束された代役がキャスティングされている。それも突然に登場するのではなく、始めからプログラムに名前をだし、公演期間中拘束されて、きちんと配役されるのだ。
米倉の演じるロキシー・ハートのキャストは、クリスティ・ブリンクレイというボブ・ホッシーの霊が乗り移ったような魅力的な女優だ。シャープな踊りと適格な演技力で評判が高い。そしてその代役にはデリス・クロマンとメリッサ・ラエ・マホンというダンスの名手が控えている。
主演女優とアンダー・スタディに夏のバカンスをだし、代役よりも安いギャラで一週間だけ米倉を使えば、在米邦人と日本人観光客が来てくれるだろうというビジネスが、あまりにも露骨にみえる。
米倉側は、ブロードウェイ事情をしらない日本のマスコミに乗じ、大成功とかなんとか情報操作し、八月三十日からの日本凱旋英語上演シカゴの興行に結び付けるのだろう。世界一高いローヤリティを払わせられるのは、結局可哀そうな日本の観客である。
代役の代役・米倉涼子
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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