流行語大賞とか、ベストドレッサー賞とか、ゆるキャラ・グランプリとか、B級グルメ大賞とか、とか、とか、こんなにも毎年あちこちで賞レースをしている国は珍しい。
なにかにつけて賞をつけないと落ち着かない民族なのかもしれない。
フィギアスケートの金、銀にしても松岡修造の異常な興奮ぶりをみていると、負けた選手への思いやりのカケラもなく、唯ひたすらに真央ちゃん凄い、真央ちゃん凄いの連呼で、田舎の選挙と変わらない。いや田舎の選挙以下のスポーツ馬鹿まるだしなのだ。
かってのスポーツマンは比べものにならないほど紳士淑女だったように思う。勝っても屋上屋を重ねるような更なる自己顕示はしなかったし、勝者こそひかえめに、つねに敗者へのいたわりがあった。
紳士のスポーツと呼ばれたゴルフなどではワンオんしても、決してガッツポーズはしなかつた。それが今では何処でもガッツポーズだらけ。下品このうえない。
野球しかり、サツカーしかり、ゴルフしかり、格闘技しかり、情報化社会で大衆化したスポーツは、必ず堕落の坂道を転げ落ちる。
競い合うスポーツに於いて賞をめざすのは決して悪いことではないが、入賞したときのフルマイでその選手の人品が丸出しになる。表彰式の最中にテレビ・カメラに向かってヴイ・サインをしていた世界女子サッカーの風景は、いまだに忘れられない。
口を開くと感動を与えたい。上から目線で感動を与えたいなどといわれても、その感動はお返ししたい。
スポーツという純粋なカタルシスが、商業主義のテアカにまみれ、英国人コンサルタント振付によるクリステルのお・も・て・な・しが流行語大賞になったり、裏金まみれの都知事が主宰するようでは、カジノ公認予定のオリンピックの病害がますます広がることだろう。
スポーツは地に落ちた。スポーツは強欲資本主義の走狗と成り果てた。
いまこそ敗者へのいたわりを、取り戻すべき時ではないだろうか。
今こそ敗者へのいたわりを
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星野和彦先生、ご無沙汰致しております。
ブログを楽しみに読ませて頂いています。
先生のブログをジャーナリストの駆け出しの、愚息に紹介しました。
私ともども、刺激を頂いております。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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