人間のいらない戦争と暮らし

　テレビでは盛んにクルマの自動運転の宣伝をしている。
　近未来においては、人間の注意力よりセンサーによる監視能力が勝るので、クルマに乗ったら目的地を告げるだけで、下手な運転の必要なしというのだ。
　ロボットがやたら進歩したために、人間の能力はどんどん退化していると警告を発する識者もいる。
　対イスラム国戦争では、無人暗殺機ドローンが活躍しているそうだ。アメリカ国内にある１２か所の基地から、遠隔操作で無人機を飛ばし、戦争をしている。コカコーラで鼻歌を歌いながらの米軍兵士と泥だらけのイスラム過激派が闘っているのだ。イスラム国との戦いでは、敵を選別するのが難しいので、ドローンによる長期監視活動によって敵の動向を伺い、しかるのち空軍機を出動させて、敵を殲滅するのだそうだ。
　アメリカ空軍はいま３００機のドローンをもっているが、さらに今年は２９機の増強を議会に要請している。
　CIAによれば、ブッシュ大統領時代にイエメンとパキスタンで５０回、オバマ大統領の一期目で４００回以上、無人機による攻撃を仕掛け、３３００人のアルカイダやタリバンのテロリストを殺害したと発表されている。
　こうした無人機の開発は、空の産業革命と呼ばれ、工場管理、建設業、PR活動、取材、中継、防犯、商品運搬とあらゆる分野で活躍することが予想される。
　現にアマゾンでは、商品のデリバリーに２,３年後から採用すると発表している。
　オスの蜂を意味するドローンが、イスラム国戦争とオリンピックと日常生活と、暮らしのすべてで活動するというのは、いまひとつ腑におちない。