「はじめての不倫学」が坂爪真吾によって書かれたのは、つい最近のことだった。
議員さん、ベッキー、文枝といまや不倫の花盛り、週刊誌も死ぬまでセックスとか、こんな快楽しらなかったとか、セックス特集があふれている。
「一夫一婦制」は、不倫と売春を伴う」と論じたのはエンゲルスだったが、坂爪は不倫ワクチンを提唱した。
弱体化した病原菌を体内に打つことで、泥沼に落ちやすい欲望社会から人間を救うには「不倫ワクチン」がいちばんという論旨だった。
ワクチンのために、ある部分ゆるやかな社会的装置を創るべき、という提案だった。キリスト教的倫理にまみれた女子には到底受け入れられないかもしれないが、現実主義でものを見る人々にはなるほどとうなずく面もあった。
ところでいま反響を呼んでいるのは、「不倫経済学」だ。
不倫を倫理や哲学で見ることを止めて、経済つまり金銭で考えようということだ。提唱者の門倉貴史は45歳の学者というので、資本主義の堕落もここまで来たか、の思いである。
性風俗産業は年間5兆円、熟年離婚の市場規模は4000億円、不倫で動く総額5兆5000億円といった調子だ。老いらくの恋関連支出は15兆円、これら不倫市場で動くお金は総額24兆円に達し、消費税をもしのぐ勢いだと論じている。
さらに不倫は景気に連動し、加えてスマホ、ネット、ラインなど各種情報機器こそが共犯装置だといっている。
さて、あなたはこれに乗じて経済に資するやいなや、すべて火遊びといわず老年期最大の経済活動だそうだ。
不倫という経済活動
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す