三権分立を無視するカラ菅。

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 法治国家の基本は…立法、行政、司法にある。
 天皇制のもとでも、民主制のもとでも国を治める基本は三権分立が絶対的ルールだと習ってきた。外国がそうだからということではなく、18世紀にモンテスキュー男爵が20年の長きに亙って研究、シュミレーションを重ねた結果、国家の運営についての究極のシステムとして三権分立がもっとも適切だと提案された。以来欧米先進国はみなこの三権分立のもと、民族を束ね、国家を運営してきた。
 我が国でも明治の開国以来、立憲君主制のもとに三権分立によって国は治められ、運営されてきた。敗戦後の民主制においてもこの三権分立は守られてきた。
 ところが最近の菅直人という人を見ていると、かんじんのこのシステムを踏み外し、自己中のとんでもない総理ではないかと思えてきた。参議院選挙の失敗にもかかわらず責任意識がゼロ、党の過半数近くの支持を得た小沢一郎を憎むあまり、すでに司法の手にわたっている事件についてしつこく説明責任をせまり、あげくのはては裁判が開かれたら議員を辞めろとまで言いだした。結審するまでは何人も無罪であるという司法の原則もしらない。すでに司法の手によって粛々とすすめられている案件にたいし、立法府での証言を求めるのは筋違いもはなはだしい。仲間としてともに闘って政権の座を獲得したのだから、もうすこし胆力のある理知的な発言はできないのか、といいたい。司法の権威に対する横暴とともに、あきれたのは立法府にたいする態度だ。第二次改造内閣において参議院議長を務めた江田五月を法務大臣にした。立法府の長を務めた人間を司法のまとめ役の法務大臣にするという発想はとんでもないこと、行政優位の独裁主義以外のなにものでもない。
 政策を語らない、眼先の増税のためには反対勢力に手をつっこむ。カラ菅には政党政治なく、三権分立なく、自己保身と政権欲しかないということが見えてきた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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