一月第二週三連休

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 この時がくると毎年腹立たしい。2000年からだから都合11年腹をたてていることになる。政治の貧困、政治家の無知無思想、歴史観のなさがこの第二週三連休を作り出した。三連休にしたほうが、消費の促進が計れ、景気が浮揚するといったあきれた理由からだった。言葉を変えれば金の亡者が、日本人の生活とよき習俗をぶちこわした。古来1月の15日は小正月と呼び、太陰暦の正月であると共に女正月としてさまざまの行事が行なわれてきた。柳の枝に団子や餅花をかざり座敷に立てて一年の幸せを願ったり、小豆粥をたいて年占いをしたり、子供たちが正月の飾り物をあつめて「どんど焼き」をしたり、新しく嫁いで来た女性に子宝を願ってお尻を叩く「祝い棒」や「お方ぶち」など、枕草紙の昔から伝えられてきた習俗がずたずたにされてしまった。1月15日を成人の日と定め休日としたのはそうした習俗を考えてのことだったが、その成人の日を第二日曜にくつつけたのは、商人の浅知恵としかいえない。文化では食えないと商人は思うらしいが、文化こそショツビングを超えた誘客の目玉だということに想いが至らないのは不思議だ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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