つい最近不思議な事件があった。かの宇多田ヒカルが「ユニバーサルからでるUtada the Bestは買わないでくれ」「EMIのほうのUtada collectionには私の魂がある」ツッィターでつぶやいたのだ。両方ともうれなかったのは幸いだったが、素人の我々にすればまったく意味不明、もう一歩突っ込んだ発言をしてくれなければ何が起こっているのかわからない。
アーティストがレコード会社との契約を替えるにはいろいろあるのだろう。自分の思う音楽が創れないというのは立派な理由だが、もっぱら自分の商業価値を見失って金銭に結びつかなくなったときトラブルが起きると言われている。昨今のようにレコード会社そのもののビジネスモデルが崩れ年間売上ベストがAKB48と嵐だけというのでは、大部分のレコード会社はやっていけない。それでもなんとか生きてきたのは、ベスト盤で「年末調整」というか倒産調整をしてきたからだ。もともともっているマスターからのコピーだから実質タダ、タダ同然のものが50万枚、100万枚と売れるのだから止められない。年末になると人気お抱えアーチストのベスト盤があちこちとでてくる。それが気にくわないというのであれば、アーティストは始めから原盤をうらないことだ。原盤をうり宣伝費もかけさせて、あれは買うな、では世の中は通らない。
聞く立場からいえば、ユーチューブだのなんだのと検索をかければ、ヒツト作でもなんでも簡単に手にはいるし、自分だけのベスト盤を創れてしまう。3000円だして、CDを買う必要がない。つまり原盤を軸にJASRACの集金システムと、配分そのものがくずれてきたということかもしれない。いままでこの国では音楽著作権はとびぬけてしっかりと保護され、音楽長者御殿が香港やロスに建てられてきたが、ネットの時代になりビジネスモデルそのものの先が見えてきたということか。
レコードを買わないで!
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す