ユニクロ悪玉論の勘違い

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 「ユニクロ栄えて国滅ぶ」などと盛んに世論をあおって注目されている女性エコノミストがいる。アパレルから食品まで、値下げ競争に加わっている企業をひとまとめに「自分さえ良ければ病」におちいっていると非難する。が、ちょっと待った。 H&MやGAPに市場を開放し、さらに銀座をユダヤ資本のファッション街にしたのは何処のどいつだ。春に新作を発表し、秋のシーズンまでにその新作を腐らせて次の商品を煽り立てるグローバル資本主義などというのは泥棒稼業のようなものだ。品質も着心地も良く、デザインもそこそこに良いユニクロは、商品の寿命をも延ばしている。昔からいいものを大切に永く使うというのは日本の文化なのだ。成長と競争と分配という経済活動を異常にのさばらせ、グローバル化の旗のもと、人をモノ扱いにし人の値段を下げてきた犯人は外にいるだろう。通年リゾートの軽井沢に住んでいると、ユニクロの日常着に何枚かのフォーマル・ウェアがあればすべて間に合う。ファッション雑誌の流行情報などほとんど役に立たず、ドレスコードなどというものは流行業者のつくった陰謀ではないかとさえ思ってしまう。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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