日本のヤンキー系ロツクバンド「氣志團」が、ユダヤ人団体サイモン・ウィーゼンタール・センターから猛烈な抗議を受け、衣裳を破棄し謝罪を余儀なくされた。MTVの番組上で、ナチス親衛隊そのものの制服をきて演奏活動をしたのは、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大量虐殺)の犠牲者たるユダヤ人として許しがたい。ナチス礼賛を想起させる衣裳は今後いっさい着ることを止めるよう求められ、テレビ局に対しても分別をもつべきだと、指摘した。キッシーズと呼ばれる熱狂的なファンに支えられ、大胆かつハレンチを合言葉にカリスマ的ロックバンドとしてのして来た氣志團の歴史音痴ぶりが見事に裁かれた。
1995年には文芸春秋発行の雑誌「マルコポーロ」が、「ナチス「ガス室」はなかった」とするホロコースト否定記事を掲載し、社長辞任、雑誌廃刊に追い込まれたのは、まだ記憶に生々しい。
折しもクリスチャン・ディオールのデザイナー「ジョン・ガリアーノ」がパリのカフェで、ヒトラー大讃美の声を上げ、ユダヤ人侮辱の発言をしたということで、即日ディオールを首になった。その上、フランス検察当局は人種差別的侮辱罪で訴追すると発表した。フランスの国策産業であるファッション業界の80パーセントはユダヤ人の支配下にあるということを、このスペイン系イギリス人のガリアーノは忘れていたのかも知れない。
日本人の歴史知らずと欧米人の確信犯を一緒にすることは出来ないが、歴史の現実ほど重いものはない。「戦争に敗けたのだ」という事実をしつかりと受け止め、判断の基準をそこに置いて行動しないと、日本はアジアの迷子になつてしまうかもしれない。
ユダヤ人を嫌う反動右翼。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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