「助けにきてくれて、本当に有難かったのは自衛隊の皆さん、迷惑で邪魔だったのは自称ボランティアの人たち。」自分が被災地へいったら、邪魔なだけと考えず、とにかくファッションでやってくる人たちが結構いるという。思考力がないので、突然あらわれて「なにやったらいいですか」「ぼくは何処に寝るんですか」宿を探してよとからまれ、断ると逆切れして手のつけようがない。そんなモンスターボランティアがいるそうだ。
黙々と引っ越しやお掃除の手伝いをしてくれる良い人が、夜になると缶ビールをダースで飲んで荒れるので、お引き取り願った例もあったという。
「感謝」されたくて被災地に来る勘ちがい野郎も結構いる。とにかくやたらシャメしたがる。自分でポーズをきめ、被災民にシャッターを切らせる。従順な東北の人は黙ってシャメに付き合う。自己満足のために被災地にきて、感謝されたかったんだろう。こんなボランティアに限って上から目線で「いまなにが欲しいか」などと質問する。ワイドショウの女子アナでもあるまいに、状況をみたら判るはずだが、無神経に被災地の人々の心を逆なでする。困ったことだが、帰ってからミクシーやツィッターで自慢したいモンスターボランティアなのだ。
自己中で想像力のないボランティアほど扱いにくい人はいない。自分の好みに合わない仕事はやらない。汚れる仕事もしたがらない。なんとかかんとか理屈をつけて、服装だけがカッコいい。津波にやられた漁港にきて、「臭ッ、だからわたし魚たべないの」それだったら、初めから来ないでくれ、と云いたくなる。小銭をもってチャリティしたからと、町長さんと贈呈写真を撮りたがるやからも絶えないそうだ。折角のことだからと町長さんはもくもくと贈呈写真のモデルを務めている。夏休みの暇つぶしだけには絶対に来てほしくない、という被災地の声はもっともなことだ。
モンスターボランティア
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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