「モモ膝三年シリ八年」作家吉行淳之介の「酒場のたしなみ」に書かれた言葉である。
キャバクラから高級クラブまで、隣席の姫たちはお酒がすすむとともに客のモモや膝に手をそえてくるが、この行為はアナタのお話を真剣に聞いてますわ、というサインに過ぎない。彼女たちにとって客の膝に触れるのは、営業の第一歩なのだ。
下品な客はその入口で舞い上がり、姫は俺に気があると勘違いする。
近頃とみに遊び方を知らない客が増えたと、銀座のママ達は嘆いている。
香川照之のようにドレスに手を入れ、いきなりブラジャーをはぎ取り、同行の客に渡して匂いをかぎ猥褻な言葉を弄したあと、キスを強制し乳房に触れ揉んだと、訴状にあって呆れたが、香川の暑苦しい芝居を地で行くような遊び方である。
前川喜平文科事務次官の出会い系バーといい、東京大学までいって勉強したにもかかわらず、世間に出てからの乱暴狼藉は眼にあまる。
東大は前期教養に「酒場のたしなみ」という必須科目をもうけるべきだろう。
キャバクラにはキャバクラなりの、高級クラブには高級クラブなりの遊び方、ルールがあることをしっかり教えなければならない。
「桃栗八年柿八年」ならぬ「モモ膝三年シリ八年」は、あってはならない教養科目なのだ。
高級クラブは大人の社交場であって、性的サービスを受ける場所ではないことを、ヨーク本人に説明しなければならない。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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