美術館やギャラリーの新しい展示が始まる前夜のパーティのことを「ベルニサージュ」という。
パリジャンやパリジェンヌ達は、ベルニサージュが大好きなのだ。毎週あちこちのベルニサージュに出かけるアートマニュアもいれば、月に一回は行くわよ、という人々もいるが、このドレスはベルニサージュの夜のために、といってサントノーレで奮発する娘もいる。
筆者も数年前、セーヌ通りのギャラリーで写真展のベルニサージュを主宰したことがあるが、評論家や大使館関係、政府美術関係、メディア、などお客様300人ぐらいの規模であったが、パーティの主役はなんといっても乾杯のアルコールであった。
招待状を届けると、相手のリアクションはまず作品について型通りのQ&A、そしてその次は「日本酒はあるか」という質問であった。
パリのパーティでは、まぎれもなくワインでもなく、シャンパンでもない、日本酒が主役に躍り出ている。それほど日本酒の美味さがパリ中に浸透している。
日本人がワインの解禁に殺到しているとき、パリでは日本の新酒を待っている。下戸の筆者ではあるが、あれほどワインにうるさいフランス人が揃って日本酒を待ち焦がれているのだから、いまや日本酒は世界一のアルコール飲料といっても過言ではなかろう。
明日10月15日の軽井沢ぶんか組のテーマは「江戸の呑み倒れ」です。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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