全国どこの町どこの駅にいってもあるのが、フリーペーパーだ。
本を読まなくなって、本を買わなくなって、本の危機が叫ばれるようになった頃から、あちこちに出現したのが、フリーペーパーと呼ばれる雑誌だ。
いかにもタダだから当然といった風情の貧しい印象の冊子から、作り手の情熱があふれ出ている雑誌、あるいはこれをビジネス・チャンス、と企んだのがみえみえの表紙の地域誌まで表情はいろいろだ。
手にとってパラパラとページをめくると、すぐ見当がつく。あっ、このフリーペーパーは広告を集めて金儲けが目的だなとか、この情報を伝えたくて作ったんだな、と作り手の根性が見えてくる。ひと通り眼を通したらすぐさまゴミ箱行き、という小誌から、これは持ち帰りたいというのまでさまざまだ。
渋谷パルコにある「オンリー・フリー・ペーパー」には3000種に及ぶフリーぺーパーがおいてある。
「やはりページをめくって読んだほうが、強く印象に残るんでしょう。こうした印刷物には思い入れが込められているんです。ウェブ上の情報は埋もれやすいし、すぐに消えてしまいますから。」 オーナーの石崎孝多さんは、とにかく面白いこと、なにか新しいことがやりたかったという。ここにはしがらみのないタダの気軽さと、オタクな情熱が溢れている。インターネットのこの時代に紙にこだわり、紙に命をかけた人々がこんなにいるんだと、おもわず熱くなってしまう作り手ワールドがそこにある。
フリーペーパーにかける情熱
コメント
1件のフィードバック
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私の語彙不足というか、マニア、おたく、と情熱の表現方法が多岐にわたっています。最近流行りつつあるのが「変態」、異常な愛情を表現したのか?
人が一つの道にのめり込む姿には、凄まじいものがあり、その情熱を後生に伝えるなら、パピルス、壁画にならい紙で残すのがベストと思います!
PCの世界でも、8インチフロッピーのデーターは、既に読み取り機械の補充パーツなし状態!MOは日本だけ、ZIPはアメリカだけ、たった10年で消えたメディアも多々あります。
100年後の学者に見て欲しいなら紙がいいですね!
ただ今のコート紙は、保存方法によっては、くっつき合って解読不能になる恐れも?
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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