フリーの損得

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 クリス・アンダーソンの「FREE」が世界25カ国で刊行され、日本でも16万部のベストセラーとなって、フリーが注目されている。この場合のフリーは自由平等ではなく、無料またはタダのフリーである。日本ではタダのパイオニアといえば、あのポケットティッシュにとどめをさす。海外にはない街角のアレは日本のオリジナル商品で、当時広告媒体の雄マッチが力を落としそれに代わる媒体として考えられたのが、ポケットティッシュだった。消費者金融が飛びついた。一個あたり4円から8円のコストで1000人に1人の来店効果だという。播磨屋ステーションでは、自慢のおかきとお茶が飲み食い放題、ワープロ・表計算ソフトのオープンオフィスもタダ、電話ビデオ通話のSkypeは完全無料、104.comなら電話番号検索がタダ、街にはフリーペーパーと称するカウン情報誌があふれている。「ただほど怖いものはない」と教えられてきたわれらの世代もフリーについて真面目に考えざるを得ない。フリーは海賊行為を助長する、これは話が逆、海賊行為がフリーを助長するという。中国から追放されたフリーのGoogle、考えなければならない事件であつた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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