パリ12区にヌーディストの森現る

by

in

パリ12区にヌーディストの森現る
 パリの東に隣接してヴァンセンヌの森がある。
 ナポレオン三世から譲られたこの森は995ヘクタールもあり、西のブローニュの森に対して、パリのもうひとつの森として人気が高い。睡蓮の泉や花の谷のあるパリ・フラワー・ガーデンがあるから、花好きのパリジェンヌにとっても花の聖地になっている。
 それだけではない。標識14番のあたりには、自然を愛するゲイたちの集まるホモエリアもあって、LGBTのパリジャンにとっても解放区になっている。
 そのヴァンセンヌの森に、期限付きながら「ヌーディストの森」が現出した。
 パリ市が10月半ばまで、朝8時から夜の7時30分まで、ヴァンセンヌの森の一部7.300㎡をヌーディストのために開放したのだ。市当局は都市の開放性を強調し、緑地の新しい活用法として、これからも毎年夏から秋にかけて実施していく方針のようだ。
 パリの市民プールでもすでに週3日ヌーディスト・デーを実施しているところがある。アパートの屋上でも、ニースの海岸でもヌーディストは多く、パラソルの下でなにげに美しい裸女が本を読んでいたりして驚くことがある。 裸は隠すものではなく開放すべきもの、というフランス人の考え方が見えて嬉しい。
 東京で言えば深川の向こうにヌード村をつくるようなことなので、都民は到底賛成しないだろうが、ごく身近の森で、家族連れのファミリーや、若い恋人たち、老境にさしかかった夫婦などが、裸になって太陽のひざしをあびているのは、そんなに排除すべき光景ではないように思う。
 一方ではテロに備えてマシンガンをもった兵士が町を見回り、そのすぐそばではヌーディスト達が太陽を楽しんでいる。 …… いかにもフランスらしい風景ではある。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ