イヴの日、細長い小包がパリから届いた。
ドキドキして開けてみると、縦20㎝横40㎝厚さ2.5㎝程の本が出てきた。
Arnaud Roi と Sylvie Bessard の PARIS という表紙が現れる。
始めのページはパリ全体のカラーイラスト、開くと主な建物がポップアップする。セーヌが流れ、右岸には凱旋門、ガルニエ宮オペラ座、サクレクール寺院、バスティーユの新オペラ座が立ち上がった。セーヌの中程シテ島にはノートルダム寺院が居ずわっている。左岸にはエッフエル塔が建ち、廃兵院、モンパルナスのビルなど建ってパリの総てがたちあがった。周りには、6000の道とか、2.2ミリオンのパリジャンとか情報が書き込まれている。路も森も人も建物も、すべてフリーハンドのイラストが楽しい。
次の頁はセーヌ河を中心にノートルダムとシテ島中心、次はルーブル宮のピラミッドからカルーゼル門、オベリスクからシャンゼリゼーを通ってエトアールの凱旋門、向こうにデュフェンスの新凱旋門がある。そして地下の墓場カタコンブから、モンパルナス駅の向こうにはエッフェル塔が聳え、トロカデロからシャンドマルス公園までの夕景、最後の夜景は勿論モンマルトルのムーランからサクレクールの丘を望んでいる。大人のためのパリ・ポツプアップ絵本は、座右に於いて過ぎし日の楽しかった時間をたどる道しるべだ。
そしてもうひとつのプレゼントは、「PARIS in LOVE」15㎝角のお洒落なフォト・ブックで、総てのページが、ALISON HARRISの愛の写真で構成されている。
ジャツク・プレベールの詩や、ピアフの唄、ヘミングウェイの文章などが、ところどころに書き込まれた愛の映像と詩と文学のポケツト・アンソロジー、パリは何時になってもパリだという愛のバイブルだった。
伊那谷からパリへ旅立って、人生を愛に捧げた少女のメモアールをそこに見た。
パリからの贈り物は生きていてよかった、としみじみ喜びにひたる時間を感じてとても嬉しい。感謝。
パリから2つのプレゼント
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す