ハロウィンはオカルトである

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 ハロウィンとは仮想して酒を飲んで渋谷に行く日、と思い込んでいる馬鹿者が後を絶たない。
 ラーメン屋の券売機に水を入れてぶっ壊してどこが面白いのか判らない。軽トラをひっくり返しボコボコにして嬉しいのか。渋谷の中央通りにある軽トラならささやかな商売で日々をつないでいる商人だ、ということへの想像力もないのだろうか。ひっくり返すならIT長者のキャデラックでもひっくり返したらいい。渋谷のハロウィンはただの馬鹿者たちだと思う。
 1992年にアメリカのルイジアナでハロウィンの夜、フリーズと言われても止まらず射殺された日本人の留学生がいたが、これなども生半可な知識で仮想して歩き回った結果だった。何の意味も考えないで仮装に走る若者たちに共通していえることだ。
 何故幽霊に扮するのか。魔女に変身するのか。悪魔やクロネコやゾンビになるのか。そんなに深く考えなくてもいいが、変装するキャストの意味ぐらいは理解しておいた方がいい。
 カボチャのランタンをみて、農協のお祭り? といった女子がいたが、大学生の今日まで誰も彼女にジャック・オー・ランタンの意味を教えなかったという現実がある。
 日本では70年代に原宿のキディランドで、ハロウィンの関連商品がうりだされ、これに眼をつけた代理店や菓子メーカーが目先の商売に利用しようと始めたのがそもそもなのだが、こうした年中祭事が学校教育から欠落していて、いわゆる商売の仕掛けと通過儀礼に対して無知な若者が圧倒的に多い。
 そのためディズニーランドでやっている、ユニバーサル・スタジオでもやっている、だから俺たちもやるということになる。
 いまの若者にはストレスがたまっているからと、わけしりに解説をくわえていたテレビもあったが、ひとえに教育の責任であるし、宗教教育の欠落だと思う。
 ローマ・カトリック教会は、ハロウィンはオカルトであると断じ、世俗の悪魔や魔女を楽しみとするような誤った方向へのイベント化はぜったいにいけないと発言している。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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