ネット派と著作権派の戦い

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 世界中でネットと著作権の戦争が起こっている。
 ネット派は「ネットの自由」を掲げて、著作権派を追い落としている。
 日本とアメリカが共謀して作った「ACTA」(海賊版防止国際条約)も、EU欧州議会で圧倒的多数のもとに否決され、ヨーロッパでは「ネットの自由」に軍配が上がった。
 アメリカですら「SOPA」という海賊版対策法案が、ネット企業とユーザーの猛烈な反対で無期延期に追い込まれた。 ただアメリカでは、コンテンツ・ビジネスは最大の輸出分野で、著作権・特許使用料だけで、年間9.6兆円も稼いでいるので、なんとしても手放したくない。
 そこでこの分野をTPPの真ん中に据えた。TPPに加盟するということは、コンテンツ・ビジネスの分野でアメリカの属国になるということだ。アメリカは韓国とのFTA条約で、著作権保護期間の大幅延長、権利者の告訴なしに起訴、処罰できる非親告罪化、並行輸入規制、などを一方的に飲ませ、韓国を属国化したので、猛烈反対運動が起きたが、ときすでに遅しで自由を失った。
 TPPはネットのなかにアメりカの監視隊を常駐させるということ。日本はアメリカに対して、年間5700億もの著作権料を払って、この分野では大赤字にもかかわらず、さらに安部内閣はTPP参加を表明している。いまのところ日本のネット・ユーザーは不感症なので、なにごとも起こっていないが、TPP参加と共にしこたまアメリカから請求書が届き、ある時はいきなり刑事罰を科せられ、その時になってネットユーザーが、慌てるのは目に見えている。
 「ネットの自由」「反著作権」と「著作権」の戦いは、いま始まったところだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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