ニホンが恥ずかしいEPA交渉

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二ホンが恥ずかしいEPA交渉
 EUと日本との経済連携協定、通称EPAがもめている。
 10月に合意したTPP環太平洋パートナーシップ協定についでの、グローバルな経済協定なので日本政府が頑張っている姿勢は多とするが、聞こえてくる理不尽な案件についてあきれている。TPPの折、著作権分野でのアメリカの強硬姿勢に各国は困ったが、そのアメリカと同じような姿勢で日本がEUに対して要求していると伝えられる。
 EUに於けるすべての文化施設、ルーブル美術館を始め、ベルサイユ宮殿、各博物館、オペラハウスなどの資材調達、建設設計にニホンの業者の参入を認めろ、と要求しているというのだ。EU側は文化の領域は域内においてすらお互いの主体性を認め、参入しないという歴史的ルールがあるのでそれだけは無理という答え。
 日本政府はクールジャパンを売り込むチャンスとばかり突っ張っている。
 日本のゼネコンにルーブルやベルサイユの建築技術があるとは到底おもえないし、大理石ひとつとってもどこで調達し、どこで細工をするかも判らないだろう。
 クールジャパンのAKBや漫画を売り込んだところで所詮は下層の娯楽材でしかない。
 伊勢神宮の式年建立にヨーロッパの業者が参入してもなにも出来ないであろうことは、馬鹿でも判る。東大寺をアメリカの業者が建てられますか、という設問なのだ。
 工業農業の分野では多いに発言、交渉して欲しいが、文化領域への開放要求はみずからの無知を晒すようなものだ。
 官僚のオバカぶりには、呆れてあいた口がふさがらない。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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