ニセ新聞というニューメディア

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 ニセ新聞が横行している、というニュースをみた。
 誤報のうえにあぐらをかいてきた新聞が売れなくなり、かっての権威朝日、毎日、東京など経営難がささやかれている現状にもかかわらず、御本家のニセ情報に上書きするような行為は信じられない。ご苦労様な話ではある。
 そこでニセ新聞をわざわざ出すメリットは何だろうと考えて見た。
 明治以来150年に及ぶシンブンというメディアが築いてきた信用、それこそがニセ新聞の原動力ではないか。新聞と名乗れば信用される、という価値感がまだまだ一人歩きしているのだろう。新聞は無知と錯覚のうえに成り立つビジネスになってしまったのだろうか。

 「銀座新聞」いかにも有りそうな新聞である。銀座の老舗が保証人になっている。ウソ! ホント!
 「今日の福井」まもなく北陸新幹線開通、うまい話がでている。駅近5分、水道完備、すこし古いな!
 「福岡新聞」半導体の聖地、九州をひかえて世界相手のITビジネスを。いまや手遅れ!
 こうしたニセ新聞にはなぜか「暗号資産」の広告が多いらしい。
 記事横にはホリエモンやら、前田某、成田某とネット上の若手企業家の写真が貼り付けられ、AI合成の確かさを誇示している。
 日本人の多数がかかっているコスパ病患者を目標に、新しい起業家たちのたくらみかもしれない。堂々と暗号資産屋を名乗らずに新聞の衣に紛れて商売しようというところが、いかにもインチキ企業家のやりくちである。

 誤報だらけの新聞にのって、インチキ広告をかける。親亀のうえに子亀がのったインチキ社会に相応しいニューメディァである。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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