ナマ、生にやられる

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 健康について書いたところ、若者の関心はナマですよ、と教えられた。
 そういえば、生野菜というのに追いかけられたことがあった。朝から生野菜、生野菜と責められ、生野菜を食べなければ、明日にでも病人になってしまうような錯覚におちいった。やがてそのナマ野菜も温野菜に代わって、それなら初めから何故温野菜と云わなかったのか、変と思ってしまった。
 生菓子というのはずっとあったから、生ケーキというのは素直にのみこんだ。生チョコというのも、始めなじめなかった。手がチョコだらけになってしまいそうで、覚悟を要したが、なんということはなかった。
 眼を上げると、生放送、生中継ともったいぶっている。VTRというパッケージが当たり前になったため、同時放送、同時中継というあたりまえが現場では珍しく、いかにもの生中継になったのだろう。生だから、時間配分もセリフも絶対にミスできないという当たり前が、今のスタッフにはきついのかもしれない。
 若者たちは素足といわずに、ナマ足と呼んでいる。ナマ足というのは女性に限るようで、少しばかり淫靡な響きもある。健康なナマ足と、エロティックなナマ足に分かれる。
 スポーツ選手にはエロティックなナマ足はない。走って、飛んで、泳ぐ、機能だけの足になっている。 モデル達のナマ足にもエロティシズムはない。服をきて歩くだけの棒のような足が圧倒的に多い。姿、カタチがよく、ナマ足の効果を充分心得ている女優などにたまに逢うと、しまったやられたと思うことがある。
 足にはいろいろな表情がある。足がしゃべる。
 石田純一のナマ足はいっこうに触発されないが、足にさわった女の足には、催眠効果がある。脱法ハーブより効き目がある。
 


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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