キャデラック、ムスタング、リンカーン、シボレー、ダッチ……若い頃憧れたアメ車だ。あの頃もてる為の小道具として必要条件だったような気がする。頭をポマードでかため、ロックンロールの音量をいっぱいに上げ、PXで仕入れたポップコーンとチョコとサンドイッチをつみ、エバーグレーズのスカートを伴って国道1号線を西へまっしぐら…。そんな週末は東京の若者たちにとって憧れのレジャーだった。
その世界に冠たるBIG 3が倒産の危機に面している。救済法案は上院で否決されてしまった。アメリカの20世紀を牽引してきたデトロイトの神通力は消え、あまりにも高すぎる労働賃金に全米の反感をかってしまった。せめてトヨタ並みの賃金にしろというのが、上院の意志だったが
、組合はがんとして応じず、経営者ともども死なばもろともといった処なのだろう。日本のトヨタも30パーセントダウンの生産調整を始めた。
この世界不況は大衆からいっきにクルマへの関心を奪い、クルマを生活必需品の位置からひきずりおろしている。都会では、確実にクルマのいらない若者達がふえている、といわれている。
デトロイトが倒産する
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す