テレワークは働き方改革にならない。

by

in

テレワークは働き方改革にならない。
 小池百合子が例のグリーンスタイルで、吠えていた。
 働き方改革をしよう。今日のこの日をテレワーク第一歩の記念日にしよう。私は2020までに、テレワークを定着させたい。 というのだが、はたしてそれでいいのだろうか。
 おりしもアメリカから、テレワーク廃止の報がとどいた。それもITの本家とも言えるIBMとヤフーである。
 テレワークの弊害が目立ってきたので、全面的に休止するというのだ。つい20年前まで憧れの働き方だった。テレワークでは、会社がもたないと、いうのだ。
 会社と離れたところで自由に家族の都合にそって仕事をするのは、一見よさそうだが、会社にとってよくない。なによりも職場の一体感が失われる。日常顔をあわせないことからお互いに無関心になり、仕事に情熱をもたなくなる。従って会社へのロイヤリティがなくなる。
 個々に自由になりすぎて型通りの仕事しかしない。だからテレワークは良くないという結論なのだ。
 今話題になっている四国今治の寒村では、テレワークを村の中心事業にしようと、空家を整備し、ITの環境をととのえて都会からの企業誘致をはかり、当初こそメディアに取り上げられ話題になったが、そこにくる若者たちには人生に対する哲学はなく、飽きたら皆都会にかえってしまったという悲しい現実しか残らなかった。
 働き方改革というのは、結局自己都合だけで、社会改革につながらないお題目なのだ。
 テレワークに慣れた若者は、バソコンにしか興味をもたない人間不在の疑似人間になる。相手の顔をみて議論せず、この場で考えず、会議は全員パソコンだけを覗いて、粛々と議事が進む、気持ちのわるい会議になってしまうのだ。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ