テレビ・クルーの横暴ぶり

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テレビ・クルーの横暴ぶり
 シリア難民の取材で、テレビのカメラ・クルーが猛烈なバッシングを受けている。
 ハンガリー・テレビの女性カメラマンだ。
 難民が群れをなして移動している様を撮影中、その女性カメラマンによって足蹴にされて倒れこんだ難民親子に、平然とカメラを向けている情景が映し出された。
 難民に対する愛がないとネトウヨから猛烈な反発の声があがった。
 足蹴にしたのはあまりの行為だが、カメラマンに愛を求めるのは筋違いもはなはだしい。カメラマンにとっては、どんな映像がとれるかが、最大の関心事であって、今そこに起こっている事象についての判断力はない、と思った方がいい。
 カメラマンの集中力はレンズを通したところにあり、レンズの外にはない。と書くとなかには怒るカメラマンもいるとおもうが、最近の下請会社のクルーは映ってナンボの世界なのでとにかく自己本位、まわりの迷惑など全く眼中にない。
 祭りの取材であちこちにいくが、結界は無視する、広角レンズで行列の先頭に密着する、ストップ写真の人たちは何時間も前にきて三脚をたて撮影場所を確保しているのにも拘わらず、三分前にきてテレビのお通りとばかり一番前に座り込む。 礼儀もエチケツトもないカメラマンには辟易とする。
 田舎の素朴な老人たちはテレビだからと有難がるが、ネットと通販に支えられたテレビの現状からみれば、テレビ・クルーは礼儀正しくひたすら恭順に仕事をしなければならない。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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