ツール・ド・フランスからヴェリブまで

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 フランス人は異常に自転車が好きらしい。七月になるとテレビには朝から晩まで自転車が映っている。23日間に及ぶツール・ド・フランスの中継だ。もつともこの生中継は世界60ヶ国に放映されているそうだから、中継のない日本のほうが、変なのだろう。カフェでは、今日のマイヨ・ジョーヌ(その日のステージの優勝者に与えられる黄色のジャージ)は誰だと話題がはずんでいる。平坦と山岳3300キロ高低差2000メートルに及ぶ苛酷な自転車レースに老若男女が興奮する。一方パリの街中ではヴェリブと呼ばれるレンタ・サイクルのシステムがある。300メートル置きにステーションが作られ、一日1ユーロで乗り放題、仕事もデートも買いものもパリッ子たちは、このヴェリブを利用する。年間パス、週間パス、一日パスとそろっているし、30分以内はタダなので便利このうえない。目的地まで行ってそのへんのステーションに返せばいいので、途中で心変わりのデートでもまつたく困らない。乗ってきたヴェリブを忘れてセーヌの川遊びにふけっていると、誰かが近くのステーションに返しておいてくれる、という実にノンビリとしたフランス式貸自転車なのだ。軽井沢のレンタ・サイクルも、ちょつと行政が頑張ればできると思うのだが。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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