義理チョコに始まり、友チョコ、ホモチョコ、ファミチョコ、世話チョコ、時に本命チョコと進化しつづけているのが、この国のチョコレート事情だ。バレンタインに於けるチョコレート販売は、実に年間売上高の20パーセントにのぼるそうだから業界では2月14日に足を向けて寝られない。アラブ諸国では、ヴァレンタイン・デーはキリスト教の行事なので、これを行ったものは重罪に処すとお布令がでている国もある。若者に人気があるのは、ゴディバ、デメル、パスカルカフェ、メゾンドショコラなど、舶来ものだが、最近急速に評判をとっているのがアメリカ・ダラス発の「ノカ」、イギリスのテレビで世界でもっとも贅沢なチョコと報ぜられ、ベネズエラ産カカオの華やかさ、コートジボアール産カカオの香り、エクアドル産カカオの濃厚な風味、トリニダット産カカオの複雑な刺激を備えたヴィンテージ・コレクションは他の追随を許さない、と評価された。キャラメル半分ほどの一粒が1800円と覚悟すればよい。世のお父さんは、モロゾフかチロル、せいぜい不二家のハート・チョコに満足し、さて来月のホワイト・デーはどうしたものかと悩むのが正しい市民生活というものだろう。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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