チャン・イーモウという偉大なる才能

by

in

北京五輪の素晴しさは、開会式を演出したチャン・イーモウの才能と哲学につきる。中国2000年の歴史を見事にショウアップした。自国を愛する気持ちと、世界に訴えたい心情が溢れ出た素晴しい構成だった。世界中の批判の嵐のなかで、見事に中国の文化を主張し、明日をみせた。スピルバーグに断られたことは幸せであった。物質文明の申し子は邪魔にこそなれ、プラスにはならなかったであろう。「紅いコーリャン」「初恋のきた道」とひたむきに人間の真情をえがいた彼の映像美は、堕落したハリウッドや日本の映画界には、望むべくも無い超才能だ。長野オリンピックの開会式のぶざまな演出は思い出したくも無いが、見事に歴史不在 世界観のない貧弱なショウであった。
あの開会式を実現させた中国は、やはり偉大なるアジアの中国である。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ