スパとマッサージと。

　いま、アメリカ人は疲れている。だからそこいらじゅうに「SPA]の看板がかかげられている。
ピンクのチラシには、FEMALE trainers.PRIVATE ROOMS.DRY Sauna.そのほかRELAXATION ROOMS.Meditation ROOMあります。Sin City Angels Spa　只今10％Off　どういう訳かチラシの写真のピンクのビキニのお姉さんのポーズが決まりすぎている。
　ショッピング・センターの十字路にも、MASSAGE のオープン・ショップがある。交差点の太い柱をよりどころに半径5メートルほどの円に絨毯がひかれ、そこに8台ほど腰かけ式のマッサージ椅子と、仰向けに寝るマッサージ椅子が5台、白人の男性マッサージ2人、若い女性2人、太っちょの伯母さん一人、黒人の男性2人計7人のスタッフが一人のマネージャのもとに働いている。買い物についてきたお父さんやら、お疲れのOL、で結構賑わっている。
　メニューが面白い。Quick Fix ＄10/Short Vacation ＄20/Relax ＄28/Hit The Road ＄35/Tune Up ＄45　といった具合だ。その隣には、オキシゾン・バーがあり、鼻先にでてくる酸素や香る空気を吸いながら、無駄話に興じているアラサー二人がいた。
　空港にもExpress Spa　がある。待ち時間があったので、恐る恐るフット・マッサージを受けたところ、これがゴッド・ハンド、とてつもなくリズミカルで指先が疲れて張っている患部をたどってほぐしてくれた。20代の小顔の黒人だったが、料金の倍ほどのチィップを払いたくなった。ホテルの部屋にくるゆるいマッサージではなく、町中にしっかりしたマッサージやスパがあるのは、アメリカ人も最近疲れているからだろう。