その前にはサンヨーがあった。
いま渦中にあるのはシャープ、経営の甘さからとうとう台湾の家電メーカーに買収される寸前である。
我が家のテレビにも誇らしげに「亀山モデル」とステッカーがはられているが、いまとなっては亀山の文字が没落と映り、悲しみの象徴となつている。
白物家電で日本にかなうメーカーは世界中何処にもいないと、我が世の春を謳歌していたのは、ついこの間のことだった。いろいろと機能を追及するあまり、使う人間を忘れ、不必要な装備をつけすぎてユーザーから
嫌われてしまった。
因みに、わが事務所で使っている冷蔵庫はハイアールのものだ。数年前シルバーの冷蔵庫は国産になかった。安物だがカラーに惚れて買った。後は平和に冷やしてくれれば、何の問題もない。
いまボッチ家電というのが注目されている。
秋葉のビルの一部屋にいくと、大メーカーを止めてきた若者がヒトリボッチでオシャレな家電を創っている。いままでにない発想で新しいライフスタイルにぴったりのものが多いという。
その部屋には、3Dプリンターが置かれ、最新の工作機械がある。
大メーカーで提案が通らずウツウツとしていた若者が通ってくる。発想に技術が付いていけない場合は、不況に喘ぐ町工場が手伝ってくれる。
一人で来てデーターを入力し、3時間もあれば試作品が出来上がる。
従来販売がネックでメーカーが取り上げなかったものが、いまではネットという市場で解決される。
情熱と好奇心のすへてががボッチ家電をささえている。
シャープからボッチ家電へ
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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