サイバー戦争が始まった。 

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サイバー戦争が始まった。 
 去る5月12日未明、突如としてサイバー戦争が始まった。
 全世界150か国が攻撃され、20万件に上る被害が出た。ノー天気な日本人は、この事実を戦争だと思っていないようだが、全世界に向けての新しい戦争のひとつのカタチ、それこそがサイバー攻撃という電子戦争にほかならい。
 今回の攻撃は、アメリカ国家安全保障局NSAのスパイ活動に使用されていたハッキング゙ツールを盗み出した何者かによって実行されたと、そこまでは追跡できたが、その先がわからない。これほどの大量攻撃であれば、そうとうの大きな組織でなければ不可能だと言われている。
 現在大規模なサイバー組織を持っているところといえば、トランプ大統領誕生に一役買ったと噂されているロシア、一帯一路を掲げなんとしても世界の雄にならんとする中国、そして北朝鮮、イスラエル、世界中への監視プログラムをもち毎年30億㌦の金を使ってXkeyscoreの改変をつづけるアメリカ位しか考えられない。
 ハッカー集団シャドー・ブローカーズから今年3月にインターネット上に放出されたソフトが使われたという説もあるが、シャドー・ブローカーズそのものの実態がつかめていない。
 イギリスでは国民保険を扱っていた全病院のシステムがダウンした。 フランスではルノーの工場がやられた。 スペインでは大手通信社のネットがダウンした。 日本では日立の全コンピューターが使用不能におちいった。 アメリカでは大手物流会社フェデックスがねらわれた。 ロシアでは内務省が攻撃された。 攻撃目標が多岐にわたり、目的が判然としない。
 サイバー戦争の目標がはっきりしない。まさかマイクロソフト自身による脆弱部分の確認ではなかろう。
サイバー戦争には国境がないため、誰がなんのために攻撃しているのかもわからない。世界をまたにかけた愉快犯だとしても、そのサイバー隊員を揃えるのは並大抵のことではない。事業としてなりたたなければ、犯人は国家と考えるしかない。インテリジェンスのある成熟した国ばかりならいいが、国際常識の通用しない特殊な国の組織がやっているとなれば、慰安婦像どころではなく、とんでもない被害が世界中に及ぶのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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