ゴミに埋もれた花の都パリ

　パリがごみだらけになっている。
　マクロン大統領の年金改革が原因だが、そもそもマクロンは年金改革を掲げて大統領選挙に勝った。その公約にそって改革を実行しようとしているのに、いまさらストライキとは何事とデモに対し正面からぶつかつている。
　ごみの山はゴミ収集組合のストライキだが、彼らも頑強に主張し、パリがゴミだらけの街になったという次第だ。

　隣国ドイツは６７才から、イギリスも間もなく６７才からの年金支給になっているので、いまさらフランスが６２才から６４才にひきあげても、あたり前だのクラッカーなので、フランス労働者の１００万人デモもあまり共感をよんでいない。
　お前らは贅沢だ、権利と欲張りは別、のEU世論ではある。

　そもそもパリはその昔ゴミの都だったという認識もある。シテ島を中心にした小さなパリの頃は、道端にゴミは捨て放題、下水もあたりかまわず降ってくるといった大層に不衛生な街であったと伝えられる。革命の都パリはすこしばかりのゴミにはへこたれない根性をもっている。
　催涙弾の白煙がオペラ座を包み、警官隊が棍棒と盾をもって追っかけてきても平気で駆け抜けていくパワーと根性があるのが、パリジャンである。
　２３０年前王様をギロチンに架けた革命の孫たちは、あっさりデモ隊を抜け、眼の前のカフェでビールをいっぱいという太っ腹男でもある。