降り積もった雪をそっと開けるように春を告げる「雪割草」、こんなに沢山の雪割草があるとは思わなかった。
「雪割草」には可愛いというイメージが付きまとう、頬っぺたを少し赤くして冷たい空気にハッーと息をはきかけるようなそんな少女が浮かぶ。太い毛糸で母が編んでくれた翔ちゃん帽をかぶっていたら、映えることこのうえなしだ。
レブンコザクラ、イチリンソウ、ニリンソウ、サマニユキワリ、アズマイチゲ、ショウジョウバカマ、……みんな「雪割草」だという。
植物学者ではなく、花を愛し、雪を愛した普通の人が命名したに違いない。こんなに優しい名前を一番先にナズケタ人に逢いたい。
佐渡ではもう桜と雪割草がともに咲いているというニュースがあった。
そんな嬉しさは春を待ちわびる軽井沢の森にも膨らんでいる。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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