クレージーホース、極上のエロティシズム

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クレージーホース、極上のエロティシズム
 キスマークのカードが飛んできた。
 ステージからこちらを見て投げキッス、真っ赤なクチビル型のカードにはNahiaとある。
Nahia Vigorosa スペインからやってきたグリーンの瞳にチェスナット・ブラウンの髪の女の子である。
 やはりクレージーホースは世界一のナイトクラブ、シャンゼリゼーのリドも、モンマルトルのムーランルージュもかなわない。
 僅か十数人の踊り子が、2時間全16景のショーを、飽きさせることなく、次々と展開しショーアップして見事だ。かって装置や道具にこったこともあったが、2016に至って完全に女性の美しさとダンサブルな魅力に的をしぼった。女性の肉体の美しさを、フリーズして、アクションして、ダンス・ムーブメントで、さらに演劇的なアクションで120%発揮する。
 カラダのうつくしさは、このうえない。全裸であっても猥褻感がまったくない。女性の内側からにじみでる美意識に下品な意識がないためだろうか。
 ラスベガスにもクレージーホースはあるが、アメリカ娘の寒々しさがでて、とても鑑賞にたえない。ズウタイが大きいだけで肉体にデリカシーがないのがアメリカ娘だ。
 ここパリ・ジョルジュ・サンク12番地のクレージーホースは躍動的で、ヌードなのに禁欲的で奔放で、そのうえエロディシズムにあふれている。
 同行したアラサーの女性は熱狂して、この舞台に魅了されない男はいないし、同性としても誇らしいショウだと興奮していた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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