クリスマスの商業化

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 ローマ法王ヴェネディクト16世が怒っている。「消費社会のなかで、クリスマスは商業主義にまみれてしまった。」なにげにつけたFM軽井沢
でさえ「石垣島のクリスマスってどんなですか」「……」「やっぱり
ケーキを食べて、プレゼント貰ってですか」「……」石垣島にケーキ屋さんがあるのかどうか聞き洩らしたが、そこで若いパーソナリティから投げかけられた言葉のどこにも信仰の響きはなかった。パーソナリティの頭のなかは、ケーキとプレゼントだけなのだろう。うっかりするとその先のイメージは、イヴの予約のラブホテルなのかもしれない。
 太陽の力がおとろえた冬の日に再生を祈って始められたクリスマスの行事は、寒冷地の軽井沢にとってふさわしい信仰催事なのだが、アウトレットの買い物に走り、あちこちの箱ものにイルミネーションして終わりという寂しい現状である。そこいら中の駅前電燭と競うよりこの町の財産であるカラマツの道や桂のもりを電飾したほうが、よほどユニークで軽井沢らしいとおもうのだが、どこにでもあるカインズホームの売れ残りのような電飾がはばをきかしている高原の町である。。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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